腸脛靭帯炎

こんな症状でお悩みではありませんか

腸脛靭帯炎(ランナーズニー)は、特にランニングや長距離歩行をする方々に多く見られる膝の痛みです。膝の外側に鋭い痛みや、膝を曲げ伸ばしする際に違和感を覚えることが多く、日常生活にも支障をきたすことがあります。次のような症状でお悩みの方は、腸脛靭帯炎の可能性が考えられます。

  • 膝の外側が痛む
  • ランニングや階段の上り下りで膝に強い痛みを感じる
  • 膝を曲げ伸ばしするときに、膝の外側に引っかかるような感覚がある
  • 運動後や翌日に膝に炎症を感じる
  • 長時間の歩行や運動後、膝に腫れや違和感が残る

これらの症状が長期間続くと、運動ができないだけでなく、日常の動作にも支障をきたし、生活の質が低下する恐れがあります。腸脛靭帯炎は放置すると悪化する可能性が高いため、早めの対処が重要です。特にランナーやスポーツ愛好家に多い症状ですが、適切な治療とケアを行うことで回復が期待できます。

『腸脛靭帯炎・ランナーズニー』とは? 新潟市中央区 たかやま接骨院

腸脛靭帯炎(ランナーズニー)は、膝の外側に位置する腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)が炎症を起こすことで発生する障害です。腸脛靭帯は、骨盤の外側から大腿部を経て脛骨にまで伸びる強靭な靭帯で、膝を安定させる重要な役割を果たしています。ランニングや自転車競技、階段の昇り降りなど、膝を頻繁に動かす運動をする際にこの靭帯が過剰に摩擦を受け、炎症を引き起こすことがよくあります。

「ランナーズニー」という名前は、特にランニング中やランニング後に膝の外側に痛みを感じることが多いために付けられました。しかし、実際にはランナーだけでなく、サイクリングやウォーキング、さらには長時間立っている仕事や日常の活動を行う人々にも発生することがあります。

腸脛靭帯炎は、腸脛靭帯が大腿骨の外側の骨突出部(大腿骨外側上顆)と摩擦し、その結果炎症が生じることで発症します。この摩擦は、膝の屈伸運動を繰り返すことで生じ、特に走行距離や運動の強度が増すと発生リスクが高まります。腸脛靭帯炎は適切に治療しないと、慢性的な痛みに発展する可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。

また、この症状はスポーツ選手だけでなく、膝に負担をかけるあらゆる活動によって引き起こされる可能性があるため、どんな年齢層や活動レベルの人でも発症する可能性があります。特に、準備運動やストレッチを怠っている場合、腸脛靭帯にかかる負担が増し、腸脛靭帯炎が発生しやすくなります。

『腸脛靭帯炎・ランナーズニー』になる原因は? 新潟市中央区 たかやま接骨院

腸脛靭帯炎(ランナーズニー)の原因は、主に膝の過度な使用や不適切な動作によって引き起こされます。以下に、代表的な原因を詳しく解説します。

1. オーバーユース(過度な運動負荷)
腸脛靭帯炎は、繰り返し同じ動作を行うことで靭帯が摩擦を受け、炎症を起こします。ランニングや自転車など、膝の屈伸運動を伴うスポーツでは、腸脛靭帯が大腿骨外側上顆(膝の外側部分)に繰り返し擦れるため、摩擦が生じやすくなります。この繰り返しによって、腸脛靭帯の炎症や損傷が発生し、痛みを引き起こします。

特に、急激にトレーニングの量を増やした場合や、十分な休息を取らずに運動を続けた場合、炎症が進行しやすくなります。

2. ランニングフォームの不適切さ
ランニングフォームが適切でないと、腸脛靭帯に余計な負担がかかることがあります。特に、膝が内側に入りやすいランナー(ニーインランナー)や、着地時に足が地面に強く打ち付けられる走り方をしている場合、腸脛靭帯に強い圧力がかかりやすくなります。また、坂道を走ることや、傾斜のある道路を頻繁に利用することも腸脛靭帯炎の原因となります。

3. 筋力の不均衡や柔軟性の欠如
腸脛靭帯炎は、臀部や大腿部の筋力が十分でない場合や、柔軟性が不足している場合に起こりやすくなります。特に、股関節周辺の筋力が弱いと、走行中に膝が安定せず、靭帯に負担がかかりやすくなります。柔軟性が欠如していると、腸脛靭帯が過度に引き伸ばされ、炎症を起こしやすくなります。定期的なストレッチや筋力トレーニングは、腸脛靭帯炎の予防に効果的です。

4. シューズや地面の影響
適切でないシューズの使用や、硬い地面でのランニングも腸脛靭帯炎の原因となりえます。クッション性のないランニングシューズや、摩耗したソールのシューズを履いていると、足への衝撃がそのまま膝に伝わり、腸脛靭帯への負担が増加します。また、舗装された硬い地面での長距離ランニングや、同じ方向にばかり回るトラックでのランニングも、腸脛靭帯に余計なストレスを与えます。

5. 骨格や身体構造の影響
骨格や身体のアライメント(整列)が適切でない場合も、腸脛靭帯炎を引き起こす要因となります。例えば、O脚やX脚のように膝の位置が正常でない場合、膝の外側に負担がかかりやすく、靭帯が摩耗しやすくなります。また、足のアーチが低い(偏平足)場合も、膝の安定性が低下し、腸脛靭帯に負担がかかることがあります。

『腸脛靭帯炎・ランナーズニー』を放置・悪化するとどうなるの? 新潟市中央区 たかやま接骨院

腸脛靭帯炎(ランナーズニー)を適切に治療せず放置すると、痛みや不快感が悪化し、日常生活や運動パフォーマンスに深刻な影響を及ぼす可能性があります。以下に、放置することで起こりうる悪化のリスクについて詳しく説明します。

1. 慢性的な痛みの発生
腸脛靭帯炎は、初期段階では軽度の痛みや違和感から始まりますが、適切な治療や休養を取らないと、痛みが持続し、慢性的な症状に発展することがあります。特に運動を続けると、腸脛靭帯にかかる負荷が蓄積され、炎症が慢性化し、軽い動作でも痛みを感じるようになります。この状態になると、休んでも痛みが引かず、長期にわたって運動が制限される可能性があります。

2. 他の関節や筋肉への影響
腸脛靭帯炎による痛みを避けるために、不自然な姿勢や歩き方をすることで、他の関節や筋肉に過剰な負担がかかることがあります。例えば、膝をかばうことで股関節や足首に余計なストレスがかかり、これが新たな怪我や痛みの原因となることがあります。また、膝のバランスが崩れることで、腰痛や脚の筋肉の緊張が増加することもあります。

3. スポーツや運動の継続が困難になる
腸脛靭帯炎を放置すると、痛みが悪化するため、スポーツや運動を続けることが困難になります。ランナーやアスリートの場合、運動量を減らさざるを得ない状況に陥り、パフォーマンスが低下します。また、運動を続けられなくなることで筋力が衰え、腸脛靭帯への負担がさらに増す悪循環に陥ることもあります。

4. 膝の可動域制限と機能低下
腸脛靭帯の炎症が続くと、膝周囲の筋肉や靭帯が硬くなり、可動域が制限されることがあります。膝が自由に動かせなくなることで、歩行や階段の昇り降りなどの基本的な日常動作にも支障をきたし、生活の質が低下する可能性があります。特に、長期間放置すると膝の機能そのものが低下し、日常生活が著しく制限されることになります。

5. 完全な回復までに長時間が必要になる
腸脛靭帯炎を放置すると、治療開始時期が遅れるため、回復までの時間が長引くことになります。早期の治療であれば比較的短期間で痛みを軽減し、運動を再開できる可能性が高いですが、悪化させてしまうと数ヶ月にわたるリハビリや治療が必要となる場合があります。早めに治療を開始することで、症状を軽減し、早期回復を目指すことが重要です。

『腸脛靭帯炎・ランナーズニー』の治療方法・セルフケアの方法は? 新潟市中央区 たかやま接骨院

腸脛靭帯炎(ランナーズニー)の治療は、痛みや炎症を軽減し、膝の動きを正常に戻すことを目的としています。早期に適切な治療を行うことで、症状の改善が期待でき、運動を安全に再開することが可能です。ここでは、腸脛靭帯炎の一般的な治療法と、セルフケアの方法について紹介します。

1.安静と休養

まず最も重要なのは、腸脛靭帯にかかる負担を軽減するために、運動や負荷のかかる活動を一時的に中止することです。無理に痛みを我慢して運動を続けると、症状が悪化するリスクが高まります。痛みが軽減するまで十分な休養を取り、体を回復させることが必要です。

2.アイスパックによる冷却

炎症や痛みが強い場合は、アイスパックを用いて患部を冷却することが有効です。冷却することで血流が抑制され、炎症が軽減されます。1回につき15〜20分程度、1日に数回行うと効果的です。直接肌にアイスパックを当てず、タオルを介して行うことが推奨されます。

3.ストレッチと筋力トレーニング

腸脛靭帯を緩め、膝の周囲の筋肉を強化するためのストレッチと筋力トレーニングも治療の一環として行われます。特に、腸脛靭帯や大腿部の筋肉を伸ばすストレッチは効果的です。また、臀部や股関節の筋肉を強化することで、膝にかかる負担を軽減できます。トレーニングは、施術者の指導のもとで行うことが望ましく、適切なフォームで行うことが重要です。

4.マッサージや物理療法

腸脛靭帯や周囲の筋肉が硬くなっている場合、マッサージや物理療法が痛みの緩和に役立ちます。特に、腸脛靭帯の周囲の筋肉を緩めることで、膝にかかる圧力を和らげ、炎症を減少させることが可能です。超音波療法や低周波治療などの物理療法も、痛みを軽減し、治癒を促進する効果が期待されます。

5.矯正インソールや適切なシューズの使用

足のアライメントが腸脛靭帯炎の原因となっている場合、矯正インソールや適切なシューズを使用することで、膝への負担を軽減することができます。特に、偏平足や過剰回内(足が内側に倒れること)がある場合は、インソールが非常に有効です。また、クッション性の高いシューズや、足にしっかりフィットするシューズを選ぶことも重要です。

6.テーピングやサポーターの使用

痛みを軽減し、膝の安定性を高めるために、テーピングやサポーターを使用することも一つの方法です。テーピングは腸脛靭帯や膝のサポートに役立ち、運動中の過度な摩擦を防ぐ効果があります。サポーターも、膝の動きを安定させ、腸脛靭帯にかかる負担を軽減することができます。

7.手術の必要性

非常に稀ですが、保存療法が効果を示さない場合や、症状が重篤な場合には手術が検討されることもあります。手術では、腸脛靭帯の一部を切除したり、周囲の組織を調整することで、摩擦を減少させます。ただし、多くの場合は、適切な保存療法で十分に回復が見込まれるため、手術は最後の手段とされます。

『腸脛靭帯炎・ランナーズニー』が治るまでの期間の目安は? 新潟市中央区 たかやま接骨院

腸脛靭帯炎(ランナーズニー)の回復期間は、症状の重さや治療法、個々の体の状態によって異なりますが、適切な治療とケアを行うことで、比較的短期間で改善することが期待できます。ここでは、腸脛靭帯炎が治るまでの一般的な期間の目安と、治癒に影響を与える要因について解説します。

1.軽度の場合:2〜4週間

腸脛靭帯炎が軽度であれば、2〜4週間程度で症状が改善することが多いです。この期間中、安静にし、適切なセルフケアや治療を行うことで、膝の炎症や痛みが徐々に軽減されます。痛みが治まった後も、ストレッチや筋力トレーニングを継続して行うことで、再発を防ぐことができます。

2.中程度の場合:4〜8週間

症状が中程度である場合、完全な回復には4〜8週間かかることがあります。この期間中、安静だけでなく、ストレッチや筋力トレーニング、物理療法を組み合わせた治療を行うことで、腸脛靭帯の回復を促進します。また、再発を防ぐために、走り方や運動のフォームの改善も必要です。特にランニングを再開する場合、徐々に距離や強度を増やしていくことが推奨されます。

3.重度の場合:2〜3ヶ月以上

重度の腸脛靭帯炎の場合、回復には2〜3ヶ月以上かかることがあります。症状が慢性化している場合や、腸脛靭帯に強い炎症が見られる場合、リハビリが長期間に及ぶ可能性があります。この場合、専門の施術者の指導のもとで治療を進め、日常生活や運動の制限を守りながら回復を目指す必要があります。無理に運動を再開すると、再発や症状の悪化を引き起こすリスクがあるため、焦らずに治療に取り組むことが大切です。

4.回復期間に影響する要因

回復期間は、以下の要因によっても左右されます。

  • 年齢:年齢が高くなると、回復に時間がかかる傾向があります。
  • 体力や柔軟性:筋力や柔軟性がある人は、回復が早まることが多いです。
  • 日常の活動レベル:普段から活発に動いている人は、回復が遅れる場合があります。
  • 治療の開始時期:早期に治療を開始すれば、回復が早くなります。

腸脛靭帯炎の回復を促進するためには、正しい治療とセルフケアを怠らず、適切な期間休養を取ることが重要です。焦らずに治療に取り組み、無理のない範囲で運動を再開することで、完治までの道のりをスムーズに進めることができます。

『腸脛靭帯炎・ランナーズニー』の予防方法は? 新潟市中央区 たかやま接骨院

腸脛靭帯炎(ランナーズニー)は、適切な予防策を講じることで発症リスクを大幅に減少させることができます。特に、ランニングやスポーツをする方は、日常的に予防を意識することで、痛みや炎症を回避し、パフォーマンスを向上させることが可能です。ここでは、腸脛靭帯炎を予防するための具体的な方法について説明します。

1.ストレッチを習慣化する

腸脛靭帯炎の予防には、腸脛靭帯や膝周囲の筋肉の柔軟性を高めることが重要です。特にランニングやスポーツの前後には、以下のようなストレッチを習慣化することが効果的です。

  • 腸脛靭帯ストレッチ:立位や座位で腸脛靭帯を伸ばす動作を取り入れ、しっかりと膝の外側を伸ばす。

  • 大腿部のストレッチ:太ももの前後左右の筋肉をバランスよくストレッチし、筋肉の柔軟性を向上させる。

  • 臀部のストレッチ:股関節周辺の柔軟性を高めることで、膝の安定性をサポートする。

これらのストレッチは、筋肉をリラックスさせるだけでなく、膝の可動域を広げ、腸脛靭帯への負担を軽減します。

2.筋力トレーニングで膝を安定させる

予防のためには、膝や股関節周りの筋力を強化することも大切です。特に、臀部や大腿部の筋力を高めることで、膝の安定性が向上し、腸脛靭帯にかかるストレスを減らすことができます。以下の筋力トレーニングが推奨されます。

  • スクワット:大腿四頭筋やハムストリングス、臀部の筋肉を強化する基本的なトレーニング。

  • サイドレッグレイズ:股関節の外側の筋肉を強化し、膝の安定性を向上させる。

  • ヒップブリッジ:臀部や腰周りの筋肉を鍛え、体幹の安定性を高める。

これらの筋力トレーニングは、フォームを正しく守って行うことが重要です。

適切なトレーニングを行うことで、膝にかかる負担を減らし、腸脛靭帯炎の発症を防ぐことができます。

3.正しいランニングフォームを心がける

ランニングフォームが不適切だと、腸脛靭帯に過度な負担がかかり、腸脛靭帯炎を引き起こしやすくなります。以下のポイントに注意して、正しいフォームを意識しましょう。

  • 着地時に足全体を使う:かかとからではなく、足全体で柔らかく着地することを意識します。
  • 膝を内側に倒さない:ニーイン(膝が内側に倒れる動き)を避け、膝を安定させたまま走るようにしましょう。
  • 足の回転数を一定に保つ:無理に大きなステップを踏まず、軽やかな足運びを心がける。

正しいフォームで走ることで、膝への負担を軽減し、腸脛靭帯炎のリスクを低下させることができます。

4.適切なシューズの選択

ランニングシューズは、膝への衝撃を吸収するための重要な道具です。クッション性があり、自分の足に合ったシューズを選ぶことで、膝や腸脛靭帯にかかる負担を軽減することができます。特に、足のアーチが低い(偏平足)場合は、アーチをサポートするインソールを使用することが有効です。また、シューズの寿命が来たら、早めに新しいシューズに交換することも大切です。

5.トレーニングの負荷を徐々に増やす

急激にトレーニングの強度や距離を増やすことは、腸脛靭帯炎を引き起こす原因となります。トレーニングを始める際や、トレーニング内容を強化する際は、少しずつ負荷を増やすように心がけましょう。特に、坂道や不整地でのランニングは膝に大きな負担をかけるため、慎重に取り入れることが重要です。

まとめ 新潟市中央区 たかやま接骨院

腸脛靭帯炎(ランナーズニー)は、特にランナーやスポーツ選手に多く見られる膝の外側の痛みですが、適切な治療と予防策を講じることで回復が期待できます。症状を悪化させないためには、早期の休養、ストレッチ、筋力トレーニングが効果的です。また、正しいランニングフォームや適切なシューズ選びも重要な予防策となります。腸脛靭帯炎を放置せず、早めに対処することで、痛みの再発を防ぎ、健康的な生活を取り戻すことが可能です。

執筆者:
院長 高山 慶市(治療家歴34年)

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